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賃貸住宅管理業法とM&A|登録・業務管理者・届出の確認手順

2026 9/21
不動産賃貸管理のM&A
2026年5月1日2026年9月21日

賃貸管理会社のM&Aでは、管理契約の引継ぎと、賃貸住宅管理業の登録・業務体制を分けて確認します。契約相手の承諾が得られても、営業する法人の登録や業務管理者が整うとは限りません。このページでは、売却前から実行日までに確認する制度と、その確認を裏付ける資料を整理します。

目次

登録が必要かは「管理戸数」と「受託業務」で確認する

国土交通省は、賃貸住宅管理業を営む管理戸数200戸以上の事業者に登録を義務付けています。対象となるのは賃貸住宅の維持保全、または維持保全と金銭管理を併せて行う事業です。家賃等の金銭管理だけを行う事業は、この定義に該当しません。国土交通省:管理業者の業務

売り手は、住宅・店舗・駐車場等の用途、受託業務、契約主体を管理台帳に記載します。自社所有物件の管理と受託管理も区別してください。会社全体の物件数や賃料の収納件数を、そのまま登録判断の戸数にしないことが出発点です。200戸未満でも任意登録を受けている場合は、登録業者としての義務を確認します。

株式譲渡と事業譲渡で、登録を持つ法人を見分ける

予定する取引 登録確認の出発点 準備する資料
株式譲渡 管理業を営む法人が同じか、代表者・役員・営業所などの登録事項が変わるかを確認する。 登録通知、登記事項証明書、変更予定一覧、過去の届出控え
事業譲渡・別法人への移管 移管先が必要な登録を持つか、対象業務と人員を受け入れられるかを確認する。 譲渡対象の契約・物件一覧、買い手の登録情報、営業所・業務管理者の配置計画
買収後の合併等 買収時だけでなく、その後に業務を行う法人も確認する。 組織再編の予定日、存続・消滅法人、登録・届出の担当表

関東地方整備局のFAQは、吸収合併先やグループ会社など別会社へ業務を引き継ぐ場合、登録を承継する規定はないと説明しています。売り手の登録番号を買い手へ移せる前提で日程を決めず、既存登録の有無と必要な新規申請を管轄窓口へ確認してください。関東地方整備局FAQ・登録申請関係Q4

登録事項の変更は、変更日から30日以内の届出が必要とされています。株主が変わることだけを見ず、同時に変わる役員、所在地、営業所を洗い出します。提出要否と必要書類は国土交通省の登録申請・変更届の案内に照らして確認します。

業務管理者は資格証と配置の実態を一緒に確認する

登録業者には営業所・事務所ごとの業務管理者の配置が求められます。資格や講習等の要件を満たすかに加えて、担当営業所、勤務実態、指導する業務、退職・異動予定を確認します。資格者一覧に名前があるだけでは、実行日以後の体制を説明できません。

DDでは、現担当者が退任する場合の後任候補、業務管理の引継ぎ日、必要な届出を同じ予定表に載せます。欠員時の扱いについて、関東地方整備局FAQは、新たに選任するまで当該営業所等で管理受託契約を締結できない一方、既存契約の管理業務は可能と説明しています。「人が辞めたら全業務が直ちに停止する」と一括りにせず、具体的な制限と復旧手順を確認します。

法令対応は書式の有無より実施の記録で確かめる

  • 重要事項説明と書面交付:契約見本だけでなく、対象契約、説明日、相手方、実施記録、最終契約との対応を確認する。
  • 分別管理:自社資金との区分に加え、預かった金銭がどの管理契約のものか台帳で判別できるかを確認する。
  • 定期報告:報告書の見本、送付記録、未報告先、苦情の記載と対応履歴を照合する。
  • 帳簿・社内手順:契約の更新・解約が反映されているか、担当交代後も検索・保管・修正できるかを確認する。

国土交通省は、管理受託契約前の説明、分別管理、定期報告等を制度上の義務として整理しています。上の点検は、その実施をM&Aの資料で確認するための手順例です。未実施や記録不足を見つけたら、事実、対象件数、影響、是正担当、期限を記載し、適切な対応を専門家・管轄窓口と確認します。国土交通省の制度解説

実行日の予定表に更新と業務開始の条件を入れる

会社の決済日とは別に、登録の有効期限、変更日、担当者の退任日、初回の管理料請求日、家賃送金日を並べます。更新申請は登録有効期間満了日の90日前から30日前までと案内されています。交渉が続いていても現在の法人の更新管理を止めず、どちらが何を提出するかを明確にします。

実行前の確認表には、手続名、対象法人、担当者、提出予定日、必要となる登録の完了状況、未了時の対応を記載します。申請書の準備・提出と、登録が完了した状態は区別してください。買収後に営業所を統合する予定がある場合は、その変更まで見込んで確認します。

契約承継と他業法の確認へつなげる

本記事の対象は賃貸住宅管理業です。分譲マンション管理、宅地建物取引、住宅宿泊管理、サブリース等を併営する場合は、対象制度と契約を別々に確認します。管理会社の登録と、各オーナーとの契約上の地位の移転も別の論点です。

契約相手への説明・承諾と切替は管理委託契約の引継ぎ、資料の集め方はDDと売り手の準備資料へ進んでください。事業全体の範囲と制度の違いは売却ガイドの業態別の確認事項で整理しています。

参考資料

  • 国土交通省:管理業者の業務
  • 国土交通省:賃貸住宅管理業法FAQ
  • 関東地方整備局:賃貸住宅管理業の登録・更新等のFAQ
不動産賃貸管理のM&A
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この記事を書いた人

株式会社M&A Do 代表取締役 濱田啓揮のアバター 株式会社M&A Do 代表取締役 濱田啓揮

東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後株式会社M&A Doを立ち上げ。工事業のM&Aを過去多数支援。

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